計算屋
税金・副業更新 2026年4月27日

インボイス登録すべき?診断計算機 — 2割特例・3割特例・簡易課税を比較

個人事業主・副業ワーカーがインボイス登録すべきか **数字で判断** する計算機。年間売上・取引先構成・業種を入れると、(1) **登録しない場合** の値下げ要求リスク (2) **登録 + 2割特例 (2026年)** (3) **3割特例 (2027-28年)** (4) **簡易課税** (5) **本則課税** の5パターンを同時比較し、最も手取りが多い選択肢を提示します。

計算機

入力

消費税を抜いた売上高。免税事業者なら受領額をそのまま入力。

法人比率が高いほどインボイス登録の必要性が高い。

簡易課税のみなし仕入率に直結。

%

本則課税の試算用。フリーランスは20-40%が一般的。

2割特例(2026年)・3割特例(2027-28年)の適用判定。

計算結果

推奨判断

登録推奨

法人取引が中心のため、未登録だと値下げ・取引停止リスクが高い。2割特例・3割特例の活用で納税負担は限定的

最有利シナリオの手取り

¥4,900,000

登録しない(免税事業者のまま)

5シナリオ比較

最有利登録しない(免税事業者のまま)

¥4,900,000

納税: ¥0売上減: ¥100,000

取引先は仕入税額控除80%可能(2026年9月まで)。値下げ要求は限定的

登録+2割特例

¥4,900,000

納税: ¥100,000売上減: ¥0

2026年9月30日属する課税期間まで。個人事業主は2026年分の確定申告で適用可

登録+簡易課税(第5種:みなし仕入50%)

¥4,750,000

納税: ¥250,000売上減: ¥0

基準期間の課税売上5,000万円以下が条件。事前に届出書の提出が必要

登録+本則課税

¥4,650,000

納税: ¥350,000売上減: ¥0

実際の課税仕入れ30%を適用。仕入が多い業態に有利

参考情報

売上に対する消費税(10%)
¥500,000
業種区分
第5種(みなし仕入50%)

※ 本計算機は判断材料の提示が目的です。具体的な税額は税理士・国税庁にご確認ください。経過措置の縮小スケジュール(2026年10月:80%→70%、2028年10月:70%→50%、2030年10月:50%→30%)は2026年4月時点の情報です。

この計算機で何がわかるか

「インボイス登録すべきか分からない」「2割特例が終わるって聞いたけど、3割特例って何?」「未登録のまま続けたら取引先からどれくらい値下げ要求されるの?」という疑問に 数字で答える 計算機です。

年間売上・取引先構成(法人 vs 個人)・業種・確定申告年度を入力すると、5つのシナリオを同時比較します。

  1. 登録しない(免税事業者のまま)→ 取引先からの値下げ要求リスク額
  2. 登録 + 2割特例(2026年分のみ)→ 売上消費税の20%が納税額
  3. 登録 + 3割特例(2027-28年分)→ 売上消費税の30%が納税額(2026年度税制改正大綱で創設)
  4. 登録 + 簡易課税(業種により40〜90%控除)
  5. 登録 + 本則課税(実際の課税仕入れに基づく)

最も手取りが多い選択肢を自動判定し、推奨理由とリスクを提示します。

計算ロジックの根拠

売上に対する消費税

売上消費税 = 年間売上(税抜) × 10%

例:年間売上500万円なら売上消費税50万円。

各シナリオの納税額

シナリオ納税額の計算
登録しない0円(消費税納税義務なし、ただし値下げリスクあり)
2割特例売上消費税 × 20%
3割特例売上消費税 × 30%
簡易課税売上消費税 × (1 - みなし仕入率)
本則課税売上消費税 × (1 - 実際課税仕入れ割合)

簡易課税のみなし仕入率(国税庁)

事業区分みなし仕入率業種例
第1種90%卸売業
第2種80%小売業
第3種70%製造業・建設業・農業
第4種60%飲食店業
第5種50%サービス業・運輸・ITフリーランス・クリエイター
第6種40%不動産業

登録しない場合の値下げ想定

免税事業者のまま続けると、取引先(課税事業者)は仕入税額控除が制限されます。経過措置で段階的に縮小されるため、取引先からの値下げ要求は年々強まる 想定。

年度仕入控除可能率想定値下げ要求
~2026年9月80%売上の約2.5%
2026年10月~2028年9月70%売上の約4%
2028年10月~2030年9月50%売上の約5%
2030年10月~2031年9月30%売上の約7%
2031年10月以降0%売上の約10%

実際の値下げ額は 「取引先からの値下げ要求 × 法人取引比率」 で計算されます。個人客中心なら値下げリスクはほぼゼロ。

入力項目の補足

  • 年間売上(税抜):消費税抜きの売上高。免税事業者の場合は受領額をそのまま入れてOK。
  • 取引先の構成:法人取引が多いほどインボイス登録の必要性が高い。個人客中心ならほぼ不要。
  • 業種:簡易課税のみなし仕入率に直結。ITフリーランス・クリエイターは第5種(50%)、卸売業は第1種(90%)。
  • 実際の課税仕入れ割合:本則課税の試算用。経費のうち課税対象の支出(PCサブスク・通信費・外注費等)の売上比率。フリーランスは20-40%が一般的。
  • 確定申告年度:2026年分なら2割特例、2027-28年分なら3割特例が選択肢に入る。

ケース別の例

ケース1:ITフリーランス・売上500万円・法人中心・2026年

  • 売上消費税:50万円
  • 登録しない:取引先(法人80%)から値下げ要求 約10万円減
  • 2割特例:消費税10万円(最有利)
  • 簡易課税:消費税25万円 / 本則課税(仕入30%):消費税35万円
  • 総合判断:法人中心のため登録必須。2割特例が最も有利

ケース2:個人向けハンドメイド作家・売上300万円・個人客中心・2026年

  • 売上消費税:30万円
  • 登録しない:個人客中心のため値下げリスクほぼゼロ(年間1,500円程度)
  • 2割特例:消費税6万円 / 簡易課税:消費税15万円(不利)
  • 総合判断:登録するメリットなし。免税事業者のまま継続が最適

ケース3:飲食店経営・売上1,200万円・2027年

  • 売上1,000万円超のため2割特例・3割特例は適用不可(基準期間の課税売上1,000万円超で課税事業者扱い)
  • 売上消費税:120万円
  • 簡易課税(第4種60%):48万円 / 本則課税(仕入50%):60万円
  • 総合判断:簡易課税が最有利。2026年12月31日までに「簡易課税制度選択届出書」提出

よくある誤解・注意点

  • 「2割特例は永久に続く」と思っている人が多い2026年9月30日属する課税期間で終了 です。個人事業主は2026年分の確定申告までは適用可能ですが、2027年分からは3割特例 or 簡易課税 or 本則課税のいずれかを選ぶ必要があります。本計算機の「確定申告年度」を切り替えて確認してください。
  • 「免税事業者のままなら確実に得」は半分正解:法人取引中心の場合、取引先の仕入税額控除制限による値下げ要求が確実に発生 します。2028年10月以降は控除50%、2030年10月以降は控除30%と段階的に厳しくなり、未登録のままだと事実上の値引き圧力で売上が削られていきます。
  • 「インボイス登録すれば必ず損する」は誤解:2割特例・3割特例があるため、納税負担は売上の2-3%程度。未登録時の値下げ額(売上の2.5-5%)と比較すると、登録のほうが手取りは多くなるケースが大半 です。本計算機で具体的に試算できます。
  • 「簡易課税は届出だけで使える」は誤り基準期間(2年前)の課税売上5,000万円以下 が条件。さらに 課税期間開始日の前日までに届出書提出 が必須。2027年分から適用したい場合は 2026年12月31日が届出期限。期限超過は本則課税で確定し、変更不可。
  • 「本則課税が常に正確」は罠:本則課税は 仕入の全てに適格請求書(インボイス)を保管 する義務あり。事務負担が大きく、フリーランスには非現実的なケースが多い。簡易課税のほうが現実的 です。
  • 「副業で売上少ないからインボイス関係ない」は危険:副業の所得税申告(雑所得20万円以下なら不要)と消費税のインボイス制度は 完全に別の話。法人取引先がインボイスを求めれば登録の検討が必要。とはいえ年間売上100万円未満かつ個人客中心なら実質不要。

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参考資料・出典

よくある質問

操作・計算根拠まわりでよく聞かれるポイント